• 「びっくりするやろ?お酒呑むとこう

    「びっくりするやろ?お酒呑むとこうなるほっちゃ。」

     

     

    すみも,私も初めて見た時衝撃だったと言うが今じゃ慣れたわとケラケラ笑った。

     

     

    「呑んで寝たら起きた時には記憶ないそ。やけぇ胸の件は知らんふりしとってね。一之助さんに聞かれたの分かったら多分立ち直れんぐらい落ち込むけ。」

     

     

    「おう……。」

     

     

    そう言ったものの知り合いだから想像が出来てしまうから厄介だ。https://www.liveinternet.ru/users/johnsmith786/ https://www.bloglovin.com/@johnsmith4486/12525079 https://johnsmith123.pixnet.net/blog/post/145039933

     

     

    「と言うか……本当に桂様と喧嘩別れしてこっちに来たん?」

     

     

    まだ信じられんという顔で文を見るが複雑な顔で頷かれた。

     

     

    「喧嘩って言っても桂様が一方的に別れを突きつけたんやけどね。」

     

     

    「捨てられたんか。」

     

     

    「それもちょっと違う。桂様は別れる気はなくてやり直したいって言っとるんやけど三津さんがもう傷つくの嫌やって逃げて来たそ。

    その……自分を守る為にも逃げりって言ったのは私やけぇこの件は私にも責任があるそ。」

     

     

    いつも強気な文が珍しく思い悩む顔で溜息をついた。

     

     

    「文ちゃんに責任はないやろ。あるとすれば三津さんをぞんざいに扱う桂様じゃ。」

     

     

    「フサも一之助さんの言う通りだと思います。なので早く入江さんと幸せになって欲しいのに何故入江さんは強気に出ないのです?」フサはまだ子供なので分かり兼ねると三人に解答を求めた。

    だがあれは変人だから子供だから云々でなく,普通の人間でも分かり兼ねると文とすみは口々に言った。

     

     

    「あの愚兄もまた拗らせちょるけぇね。普通の男なら俺がお前を幸せにする!って言いよるんやろうけど,愚兄は三津さんの方から貴方と居ると幸せって言われたいんやない?」

     

     

    「回りくどい事するわ。今朝の入江さんを見つめる三津さん見たら分かるけど,何かは仕掛けて帰ったんやろ。そういうやり方でしか恋出来んのかねぇ。」

     

     

    「すまん……話の腰を折るけど結局三津さんは何者なん?女中やったんは本当なん?」

     

     

    桂の想い人なのは分かった。入江とも恋仲ではない特殊な関係なのも分かった。その問題の中心にいる三津は一体どこから出て来た誰なのか分からなくなった。

     

     

    「甘味屋の看板娘なんは本当。京の長州のお屋敷で女中やっとったんも本当。主人が妹みたいに可愛がっとったんも本当。高杉さんが子供産めって迫ったんも本当。」

     

     

    「えっじゃあ嘘なんは……。」

     

     

    「ここに来た理由。桂様を忘れて一から全部やり直したくて来たんよ。桂様の女として京では顔が知られちょるからあっちには戻れん。

    酷い目に遭ってきてそれでも支えたのにあの男ときたら……

    三津さんは全てを捨てて桂様について行ったのに結局全て失ったんよ。許せん。」

     

     

    文はこれでもかと言うぐらいの大きな溜息をついた。

     

     

    「主人が三津さんの幸せを願っちょったし最期に入江さんに妹を頼むって遺言を残しとるんよ。桂様とこうなった以上三津さんの幸せを託せるのは入江さんなほっちゃ。」

     

     

    「でも三津さんはまだ桂様が好きなんやな……。」

     

     

    「まだ一月や。それに一之助さんが毎日傍におるんやけぇ一之助さん三津さん口説き落としてや。うちの愚兄にはもったいない。」

     

     

    すみにそう言われて面食らった。三人の視線が突き刺さりより居心地が悪くなった。

     

     

    「くっ久坂さんが入江さんに託したんや。もう入江さん以外三津さんを幸せに出来る人はおらんやろ。

    入江さんに比べたら俺なんか力不足じゃ。女心なんか分からんから俺も三津さん傷つけるだけじゃ。」

     

     

    「そう?三津さんがにこにこして傍におってくれるし一之助さんはいつも通り黙って構えとったら?三津さんなら一之助さんのその性格すでに受け入れてるんやない?」

     

     

    すみはどうしても兄に三津を任せたくなかった。それにはフサがお似合いなのにと口を尖らせた。

     

     

    『確かに三津さんは他の子と違う気はするけど……。』

     

     

     

    一緒に居て苦じゃないと思えたが,その想い人が桂と聞けば物凄く気が引ける。


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