だと記憶している。 それは兎も角、黒田は武人、軍人、政治家として、そこそこできる人物である。剣士としては、示現流の皆伝であり、砲手としても皆伝を授けられている。 が、酒癖は悪い。しかも、超絶である。会津の「鬼のとおなじである。 佐川同様、かれにも酒に関する逸話がある。 明治期、酒に酔って大砲を誤射したり、長州藩士のの屋敷に忍び込んだり、https://www.evernote.com/shard/s330/sh/8b7850e4-ea33-b0e1-3fcf-f019cdb629e7/xq8lOhnisUN6mOQBo4GOu7NfrtDsWorszK4EPNfiFd2ctCxrsS6xcn7dTw https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202308230004/ https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/521f5d48186a8354b3843f54a832fe2d 自分の妻を斬殺するという嫌疑をかけられたりもする。きわめつけは、酒席で大暴れし、に取り押さえられた上に簀巻きにされ、自宅に送り返されるという。 酒の失態は、佐川同様枚挙に暇はないようだ。 いまも、これだけの距離を置いているにもかかわらず、相当酒をすごしたにちがいない。ぷんぷんにおってくる。 「黒田清隆。これから、かれと何度か戦うことになります」 鉢を集めるふりをし、副長ににじりよってその右耳にささやく。 「ほう・・・・・・」 副長のイケてるが、細められた。 「清隆どん、元気そうじゃなあ。また、酒を呑んじょるんと」 西郷が苦笑しているのをみると、いつもこんな調子なのかもしれない。 「呑まんではいらるっと。公卿と長州相手に、素面など耐えられもはん」 黒田は、がははと笑う。 声がでかい。大砲の撃ちすぎで、耳が悪いんだろう。 「おうっ、けつが半次郎ちゃんに噛みちたちゅう、狼んごたっ犬じゃしか?」 そして、そこでやっと、すぐ側にお座りしている相棒に気がついたらしい。おおげさに両腕をひろげつつ、俊春と相棒のまえに両膝を折った。 「清隆っ、半次郎ちゃんって呼ぶんじゃなかっ!そいに、噛まれておいもはん」 気の毒に。半次郎ちゃんの連鎖は、半次郎ちゃんを奈落の底に突き飛ばしたも同然のようである。 みな、うつむいて笑っている。有馬や別府、野村などは、もはやそれを隠そうともしない。 「よしよし、よか子や。よかね面構えじゃなあ。まるで、薩摩兵児んようじゃ。半次郎ちゃんの得物と、いっしょん名前らしいなあ」 黒田は両掌を伸ばすと、頭をごしごしなではじめた。 なんと・・・・・・。 「あの、黒田先生。あいにくでございますが、おなじ犬でもわたしは「狂い犬」でございます。兼定は、こちらです。それに、以前先生とはすれちがったことがございます」 黒田は、相棒ではなく俊春の頭をなでている。 かわいそうに。俊春は、めっちゃ困惑している。 それにしても、俊春と俊冬は、黒田とも面識があるということか。 「おもしてすぎるじゃなかと。笑いがとまりもはん」 「超ウケる」 有馬と野村は、畳をバンバン叩きながら笑っているし、別府も黒田のうしろで上半身を折って笑っている。 「呑みすぎじゃ、清隆。と犬もわからんぐれに呑んなどと、どげん料簡じゃしか」 篠原は、眉間に皺をよせている。 幕末の「プレ〇リー」こと村田と半次郎ちゃんは、『またか』っていうようにニヤニヤ笑っている。 もみんな、笑っている。 俊春の返しもなかなかナイスだった。 「あ?どうりで、犬にしては毛がなかねて思うた。まことじゃ。ようみれば、「狂い犬」じゃなかと?やったら、犬にかわりはあいもはんよね」 「はい。犬でございます」 黒田は、大声でボケまくってから、またしてもガハハと大声で笑う。 一方、俊春は気を悪くした風でもなく、神対応するところがさすがである。 黒田清隆・・・・・・。 酒を呑めば、最強のボケをかましてくれるようだ。 これは、あらゆる意味で油断のならぬ男があらわれたものである。 今後、黒田とは蝦夷や宮古湾で戦うことになるのである。 絶対に負けられない。 こうなったら、素面のときのかれと、どちらが最強か勝負をしなけれはわならない。 どっちが「おもろい」か。どっちが最高のボケをかませられるか? いや、まてよ。おれは、どっちかというとツッコミ役だ。ボケ役じゃないはず。だったら、勝負というよりかはコンビを組むほうがいいのか? そうなると、おれは味方を裏切ることになるのか?それとも、かれに寝返ってもらうべきか? 相棒と