土方と斎藤が戻ってきたのは、日が暮れかかった頃だった。それも後援者達をぞろぞろと引き連れており、宴会を開くとのことである。
どうやら、この中にも新撰組に入隊したい者や、息子や親戚を入れようとする者がいるらしい。その為、には扱えなかった。
食料や酒を持ち込んできた為、避孕 宴会はそう時間を待たずに始まる。
部屋の中はたちまち浮ついた笑い声と、むわりとした酒の臭いで充満していった。
江戸は幕府の直轄領であるため、殆どの人々が幕府贔屓である。その幕府へ楯突いた長州を筆頭とする不逞浪士を、池田屋や禁門の変で退けた土方は最早この石田村の英雄のような扱いだった。そのためか誰もが話を聞きたがっている。
どのような手柄を立てたのか、どのような浪士と戦ったのか、強かったのか弱かったのか。
後援者達は年甲斐もなくはしゃいでいた。
斎藤は顔色ひとつ変えずに黙々と一人で盃を傾け、藤堂は少し離れた席で時折土方の方を見ている。土方は藤堂のことを認識しながらも、席を外せないでいた。
そこへ賑やかな空気を切り裂くように、後援者のうちの誰かがこう切り出す。
「そういやァ、山南さんは死んじまったんだってなァ……。あの先生の事だから、さぞ良い働きをしなすって、立派な最期を遂げたのだろうよォ」
一人がそう言えば、他の人もそうだそうだと口々に山南を悼み始める。誰も何をやらかしたんだと疑問を持つ者はいなかった。山南は立派に殉死したのだと信じてやまない目をしている。
「おい、誰に聞いたんだ」
土方が眉を顰めると、彦五郎が手を挙げた。
「俺だよ、歳三。沖田君から文が来てな……。山南さんはこの村でも評判の人だったからよ。別に隠すことでもあるめェよ」
山南の没後、沖田は礼儀として彦五郎へ文を認めていたのである。そこから石田村には山南の死が知れ渡っていた。
「まあ、そうだけどよ……」
土方は吐き出すように言うと、末席を見遣る。視線の先にいる藤堂は俯いて拳を握り締めていた。
それ自体悪くは無かったが、何せ状況が悪い。土方は心の中で沖田と彦五郎へ舌を打った。
やがて藤堂はその場に耐えきれなくなったのか、スッと立ち上がり部屋から出ていってしまう。それを見た土方は、立ち上がろうと膝を立てた。
「おい、歳坊。どこ行くんでェ」には扱えなかった。
食料や酒を持ち込んできた為、宴会はそう時間を待たずに始まる。
部屋の中はたちまち浮ついた笑い声と、むわりとした酒の臭いで充満していった。
江戸は幕府の直轄領であるため、殆どの人々が幕府贔屓である。その幕府へ楯突いた長州を筆頭とする不逞浪士を、池田屋や禁門の変で退けた土方は最早この石田村の英雄のような扱いだった。そのためか誰もが話を聞きたがっている。
どのような手柄を立てたのか、どのような浪士と戦ったのか、強かったのか弱かったのか。
後援者達は年甲斐もなくはしゃいでいた。
斎藤は顔色ひとつ変えずに黙々と一人で盃を傾け、藤堂は少し離れた席で時折土方の方を見ている。土方は藤堂のことを認識しながらも、席を外せないでいた。
そこへ賑やかな空気を切り裂くように、後援者のうちの誰かがこう切り出す。
「そういやァ、山南さんは死んじまったんだってなァ……。あの先生の事だから、さぞ良い働きをしなすって、立派な最期を遂げたのだろうよォ」
一人がそう言えば、他の人もそうだそうだと口々に山南を悼み始める。誰も何をやらかしたんだと疑問を持つ者はいなかった。山南は立派に殉死したのだと信じてやまない目をしている。
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