晩年のかれの人生は、あまり運がよくなかったという。地震で自宅が被災したり、息子にあいついで死なれたり・・・。
こんな多才で有能なかれであるが、用兵は超絶イケてないらしい。そんなかれが蝦夷の函館政権で、投票によって陸軍奉行に選ばれるのである。ちなみに、副長は陸軍奉行並である。
ただ、https://besidethepoint.mystrikingly.com/blog/a-similar-coverage-analysis http://jennifer92.livedoor.blog/archives/32200010.html https://note.com/ayumu6567/n/n9a47238bfc8e かれはよくいえばまえむき、悪くいえばノーテンキな性格のため、用兵よりむしろカリスマ的な存在なのかもしれない。
あれこれいったが、かれこそが昭和の漫才師「鳳O介」と漢字ちがいの同姓同名である。
「近藤さん。叔父貴から、明日出陣だってききましてね。こりゃぁ会って、激励したいと。なぁ土方君?」
「ああ?いらねぇってんだよ。こちとら、ひっそり出陣するつもりだったんだ」
「おいおい、歳。せっかくきてくださったんだ。かようなものいいは、あまりにも失礼であろう」
「なにいってんだ、かっちゃ、いや、局長。それならば、明朝、そこいらの家の路地から、こっそり見送るもんだろうが」も、「これも、おねぇか?」ときいている。
いや、大鳥にもそんな噂はない、はず。
とりあえず、頸を横にふっておく。
「やぁ、俊冬君に俊春君。彰義隊の連中から、上様暗殺を阻止したってきいたよ。あらま、どうしたんだい?傷だらけじゃないか。まぁ、きみらも男前だからね。傷はかえって男らしくみせてくれてるよね」
大鳥は、茶と茶菓子を配りおえた俊冬と俊春にもハグをする。二人とも、苦笑しながらハグを返している。
「永倉新八です」
「原田左之助です」
「斎藤一です」
「相馬主計です」
面倒臭そうなので、さらっと名乗る。
ありがたいことに、おれたちは局長と同格で握手である。
「あ、この犬が噂の兼定?抱いていいかい?」
大鳥はだれにともなく尋ねるなり、部屋を飛びだした。
えっ?抱いていいかい?
全員が、ぎょっとしたであろう。たしかに、薄暗くなりつつあるなかでお座りしており、ぱっとみただけではおおきさがわかりにくいかもしれない。だが、どう考えても小型犬にはみえない。
それを、「抱いていいかい?」、だって?
返事をする間もない。大鳥は、廊下から庭に飛び降りるなり相棒に抱きつき、そのまま抱っこしようとする。
いや、小柄なあなたじゃ無理でしょう?と、全員が心中で突っ込んだにちがいない。
「おや、びくともしない。重いんだ、犬って。そうかそうか」
相棒の体は、1mmたりとも地面から浮かなかったはず。大鳥は呆然としている相棒の頭をなでながら、謎納得している。
(あきらめるのはやっ!)
全員が、心中で突っ込んだにちがいない。
大鳥は庭からひょいと廊下に飛び上がり、部屋に入ってこようとする。そのとき、自分が靴下のまま庭に飛び降りたことに気がついたらしい。
「失敬、失敬」
ぱんぱんと足の裏を掌ではらい、入ってくる。
なんかまた、「個性的なのがきたーっ」て感じである。
はやい話が、大鳥は新撰組と親交をもちたいらしい。っていうか、副長と個人的なお付き合いがしたいってことなのであろう。
組長たちとおれは双子の夕餉の準備を手伝い、その間、局長と副長と話をしていた。
しかも、ちゃっかりとゴージャスな夕餉を堪能してかえっていった。
榎本と大鳥・・・。
副長をめぐって、どのような戦いを繰りひろげてくれるのか?それとも、共同戦線をはるのか?
今後の展開が怖くもあり、愉しみでもある。
土方歳三、誠に罪な男である。 夕餉は、鍋である。
双子が帰途に狩りをし、猪を仕留めたらしい。その場で解体し、もってかえってきた。
ボタン鍋である。
さすがは、異世界転生で狩人だっただけはある。
みなで鍋をつつき、酒を呑む。肉にくさみがなく、めっちゃうまい。
おとなも子どもも、だれもが心ゆくまで堪能した。
江戸でみながそろっての夕餉は、これが最後である。
これが、最後なのだ。