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いってることが矛盾

 いってることが矛盾しまくっている。ってか、めっちゃ思い付きだ。 

  

 だいいち、おれが拳で語り合おうとしたら、俊冬も俊春も永倉のときとはちがい、なんの遠慮も躊躇もなく、

travelerbb2017.zohosites.com

http://jennifer92.livedoor.blog/archives/33093987.html   https://freelance1.hatenablog.com/entry/2023/08/22/010353 語り合いに応じてくるだろう。

 

 ちょっ・・・・・・。 

 

 そうなったら、一方的に語られまくり、おれは顔面血まみれどころのさわぎではなくなるにちがいない。 

 

 それこそ、ジャ〇おじさんにあたらしいおれがなんで、かような野蛮なことをせにゃならん。拳で語る?拳で語るまでもねぇ。言の葉でわからせてやる。それが、おれだ。そういう野蛮なことは、主計、おめぇにやらせるにきまってるだろうが」 

「はああああああ?」を焼いてもらわねばならない。いや、体もだ。それこそ、いろんな味わいがたのしめる菓子パンになってしまう。 

 

 そのとき、永倉と原田、つづいて俊春が笑いだした。 

 

 島田と野村もである。野村は、欠伸をしつつ笑っている。 

 かれも疲れきっているのだ。いろんな意味で。 

 

 おれも、いろんな意味で心身ともにくたくたである。 

 

 

「明日、おれはこのまま中山道をくだって、林信と矢田と合流する」 

「あいつらも心細いだろう。おれは、土方さんたちと日光街道を北上し、隊に追いつくつもりだ」 

 

 原田と永倉が話をしている。 

  

 かれらとせっかく再会できたが、また離れ離れである。「ウィ・ゴー・トゥー・アイヅ、ライト?」 

 

 現代っ子バイリンガルの野村は、よほど眠いんだろう。もはやそれを隠そうともせず、欠伸をしながら尋ねている。 

 

「いや、だめだ」 

 

 野村が『会津にいくんですよね?』と尋ねたタイミングで、ふと思いだした。 

 

 そうだ。いままで、局長のことがあったから気にもしなかったが、局長のおかげで斬首を免れたおれたちは・・・・・・。 

 

「ホワット・ザ・ヘル!なんでおまえにダメだしされるんだよ」 

「おれたちは、板橋で拘束されていた。本来なら、副長と島田先生はここにはいない。会津に向かっているんだ。そして、おれたちは、本来なら出身の藩に預けられて謹慎するはずだった。で、脱走して春日左衛門(かすがさえもん)という幕府陸軍隊の隊長の麾下に入って、北へむかうんだ」 

「春日?だれ、それ?」 

「旗本だよ。もうじき彰義隊が瓦解する。江戸に潜伏している春日さんは、彰義隊の生き残りとともに、輪王寺宮を擁して江戸を脱する」 

 

 輪王寺宮とは、三山管領宮の敬称の一つである。 

 

「旗本?サノバビッチ!ぜったいにいやだ」 

 

 野村は、を左右に激しく振り振り拒否る。 

 

 じつは、野村はこの春日と折り合いが悪く、抜刀騒ぎまで起こすことになる。すくなくとも、史実ではそう伝えられている。 

 

 結局、かれは蝦夷で新撰組に復帰するのだ。 

 

 まぁたしかに、いまここで副長と会っているのに、わざわざ春日をさがしだし、行動をともにしたいとは思わない。どんな人物かはわからないが、万事そつなくコミュニケーションをとることのできる野村が、抜刀するほどだ。 

 その理由は、かれが命令違反をしたことによるそうだが、モンスター隊士のかれでも、命令を違反するとはかんがえにくい。違反させるようななにかがあったとしか思いようがない。 

 

 だとすれば、野村だけに非があるわけではなく、春日にもあったかもしれない。 

 

 正直、おれでも円満にやってゆく自信はない。 

 

「いいじゃねぇか。そんなささいなことくらいで、未来がかわるわけでもあるまい?」 

 

 副長に、またよまれてしまった。いまの言葉が、『いっしょにこい』といってくれたのだと判断し、笑ってうなずいておく。 

 

 まぁどうせ、野村とおれが春日の下にはいったとしても、隊のレベルが最弱の1から最強の10にあがるわけではない。 

 

 というわけで、そこは『まぁっいっか』、で片付けることにする。 

 

 

 俊春は、物見と食料調達にでかけてしまった。 

 中山道をゆく原田と、おれたちの道中に敵がいないかを探りにいったわけである 

 

 俊春がそれを申しでたとき、副長はソッコーOKをだした。 

 

 副長は、一人になりたいというかれの意をくんだのであろう。 

 

 野村は、横になってうつらうつらしている。おれも横になったが、腹が減りすぎて眠れそうにない。そうそうにあきらめ、起き上がった。 

 

 それに、原田とは朝がきたら別れることになる。せっかくなのだ。もうすこし話をしたいって気もする。 

 

「なんだ?眠れんのか?」 

 

 おれが起き上がると、永倉が気がついてきいてきた。 

 

「いえ。腹が減ってしまって」 

「だから、肴も買おうっていったろう?」 

 

 原田が苦笑しつつ、永倉の後頭部を掌ではっている。 

 

 どうやら、おれたちをむかえにきてくれた際に、酒をゲットしたらしい。   

 車座の中心に一升徳利が二本置かれていて、それぞれのまえに猪口がある。 

 

「猪口を忘れちゃいけねぇってな。そっちに気がまわっちまってた」 

「俊春がなにかもってきてくれるだろう。せっかくだ。主計、おまえも呑め」 

 

 ふだんはめったと呑まない副長が、徳利をもちあげて誘ってくれた。 

 

 

 局長の通夜か・・・・・・。 

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