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もあるだろう。

もあるだろう。しかし、ここで薩摩の重鎮、実質上現場のトップともいうべき西郷を暗殺してしまうと、下手をすれば薩摩はつぎの時代を決するともいうべきこの戦から手をひいてしまうかもしれない。生髮方法 そうなれば、打撃を受けるのは連合軍である。  リスクしかない暗殺を決行するような馬鹿は、いくらなんでもいるわけはない。殺るべきタイミングは、しっかりみきわめるであろう。  ということは、永倉は味方であるはずの刺客なり将兵を相手にしなければならない。そのとき、本来は敵である西郷を護り抜くと約束したのだ。  永倉はそれをわかっていて、約束したのだ。うっかり忘れていて、ついカッコつけちゃった的な軽さからの約束ではない。  永倉なら、襲ってくる味方をうまくあしらいつつ、西郷を安全なところに逃がす、あるいは連れてゆけるだけの腕と才覚がある。  半次郎ちゃんも、その矛盾に気がついているであろう。その上で、永倉を信じてうなずいて了承したのだ。 「おいどんのこっは心配いりもはん。武次どんを送ってきたもんせ。武次どん、つぎん軍議が最後になっやろうで、ちょっとはおとなしゅうしちょってくれん」  西郷も気がついている。ゆえに、半次郎ちゃんに「安心していってこい」といっているのだ。  もっとも、つづけられた海江田へのアテンションは苦笑まじりであったが。  海江田のことである。どれだけ注意勧告しても、右から左でききゃしないってやつにちがいない。  おれたちは、蔵屋敷をあとにした。  海江田とその隊が割り当てられている宿舎は、板橋までの間にあるらしい。徒歩三十分以内の位置にある。    すでに二十四時をまわっている。生きているはもちろんのこと、生霊死霊の類に出会うこともなく、海江田の宿舎へと向かう。  道中、とくに会話もない。厳密には、副長が一方的に、『相馬主計』という一個人の尊厳を貶めただけである。  つまり、あることないことあげつらい、おれをいじりまくったわけである。  半次郎ちゃんも海江田も、無言のままきき流していたようである。 海江田は、酒がはいっているせいか機嫌よくあるいている。まあ、あれだけ呑んだのだ。機嫌もよくなるだろう。が、まったく脚にきているわけでもなく、しっかりとあるいている。  それこそ、路地から刺客が飛びだしてきても冷静に対処できそうだ。  蔵屋敷に一人でやってきて、一人でかえるつもりだったのがうなずける。  海江田と半次郎ちゃんが先頭をゆき、そのつぎに副長とおれ、最後尾に俊春と相棒がつづいている。が、海江田はおなじ藩どうしの半次郎ちゃんとすら、話をするでもない。  一方、おれのうしろをあるいている俊春は、ずっと相棒と謎トークをしている。かれのささやき声がうしろから流れてくるが、その内容はおれの悪口みたいである。っていうか、相棒が不平不満を並べ立てるのを、俊春がきいてやっているという感じである。  おれは、相棒にストレスを与えつづけているってわけなのか。  宿舎として接収している長屋への入り口に、四名の兵士が立っている。いずれも銃をもっていて、ちょっとダラダラしていたようだが、海江田の姿を認めた瞬間、直立不動の姿勢をとる。 「送ってもろうて礼をいう」  海江田は、その四名の見張り番に声が届かぬところで歩をとめた。それから、おれたちのほうへと向き直って軽く頭を下げる。 「つぎに会うこっがあれば、そんときには全力をもって挑もごたって思う」  海江田は、ソプラノボイスを落としていってからにんまりと笑みを浮かべた。 「新撰組ん副長土方さぁ、会えてよかった。面識はなかが、近藤さぁのこっは心からお悔やみ申し上ぐっ」  かれは、深々とをたれた。  気がついていたんだ……。 「「狂い犬」、すまんかった。正直なところ、おめには二度と会おごたなかなあ。おいどんも命は惜しかで。をたれた。  気がついていたんだ……。 「「狂い犬」、すまんかった。正直なところ、おめには二度と会おごたなかなあ。おいどんも命は惜しかで。であろうと褥であろうと、おめを手懐けっことはできんやろう」  海江田は、苦笑とともに肩をすくめる。 「海江田さん、こっちこそ礼を申す。近藤も、あんたのようなまっすぐな

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