三津の頭を掴んでぐいっと顔を自分に向けた。
あの時は苦労したなぁと嫌味に笑う。
「覚えるまで私が案内しますから。乱暴な真似は止してもらえません?」
にっこり笑いながら“馴れ馴れしい”と目で言えば,
「こいつには随分と甘いじゃねぇか。」 https://appssimilartowhatsapp70369.blogoscience.com/13268583/what-is-an-option-put-and-call-option-explained-stock https://firemagic09.bravejournal.net/ https://hectorfy098.shotblogs.com/call-option-put-options-best-option-call-put-tips-22906856
“この女に惚れたか?”と視線が返って来る。
三津を挟み,長年を共に過ごして培った目による会話が飛び交う。
「いえいえ土方さんが女子に囁く言葉に比べたら…。」
甘さが全然足りませんよととびきりの笑顔が光る。これしきの挑発に乗るものか。
落ち着きを払ってみせるものの,ちらりと横を見ればにんまりと笑っている。
その顔が腹立たしい。
「無駄口ばっか叩きやがって!」
土方が額に青筋を作るとそうこなくっちゃ!と言わばかりに総司の目が輝く。
三津にはその輝く目に見覚えがあった。
「その顔,宗太郎と一緒!」
遊んでもらえると分かった時の宗太郎と全く同じだとけらけら笑った。
まさか宗太郎と一緒にされるとは…。
「私はそんなに幼くないですよ。」
心外だと口を尖らせば,それも不貞腐れる宗太郎だと笑われた。
その隣で喉を鳴らして笑う土方はここで反撃の狼煙を上げる。
「こいつは宗次郎だからな。」
急に幼名で呼ばれた総司はどきっとして土方を見ると,それはもう愉しそうに口角を上げてらっしゃる。
「宗次郎?」
総司がそれ以上喋らすまいと口を挟むより先に三津が興味を抱いてしまった。
「ああ総司の幼名だ。
こいつも泣き虫で何かあるとビービー泣きやがって。名前だけじゃなくて中身も似てやがる。」
「……昔の話です。
それなら土方さんの昔話をしましょうか?
色々やらかしてますよね?」
土方がそうくるなら目には目を…。
無邪気な笑顔で脅しにかかるが,土方もここで総司に優位に立たれては困る。
「まさかと思ったが…。
いつの間にあんなガキつくってたんだ?」
その脅しは軽く聞き流して,にやにやと総司と三津を交互に見る。
思わず二人は顔を見合わせ,真っ赤になったのは総司だった。
「そんな訳ないでしょう!」
むきになる総司の横で三津は苦笑い。
『あんな子がいる私って一体いくつに見えるのよ。』
頬を掻きながら両側の二人をきょろきょろ見ていると,まだ言い合いは続く模様。
「土方さんと一緒にしないで下さいよ…。」
頬をぷっくり膨らませてじろりと一瞥した。
「私が知らないとでも思ってるんですか?奉公先のお女中さんを…。」
「あっ!?」
総司が口にした話は総司も知り得ない話のはず。
流石に面食らってあわあわとしていると,してやったりとほくそ笑む顔が目に入る。
「総司ぃーっ!」
土方の怒鳴り声から結局大人の鬼ごっこが始まった。
ぽつりと残され,二人の背中を眺める。
男はいつまでたっても子供ねと悠長に微笑んでいたが,
「ちょっと…私置いてく気…?」町を抜けてしばらく歩くと辺りには田畑が広がり,ぽつりぽつりと民家が建っていた。
三津は自分の生まれ育った村を思い出して懐かしさに胸が弾んだ。
ただ息は切れ切れだった。
風呂敷を両手に,いい大人二人の鬼ごっこを必死追いかけた。
「なかなか根性あるじゃねぇか。」
肩で息をしながらも土方は涼しげな顔で,しっかり後ろを着いて来た三津を一瞥する。
本当は苦しいけれどやせ我慢。
総司との鬼ごっこで疲れ果てた姿を晒すなど御免だ。
宗太郎と遊んで鍛えた脚力を甘く見てもらっちゃ困る。
自信満々に豪語したいところだが,そうでしょ?と笑ってみせるのが精一杯。
それよりも自分がもしも追いつけなくて二人を見失っていたら,この人達はちゃんと戻って来てくれたか疑わしい。
総司は満足したのか,いい汗かいたと汗を拭っている。
『沖田さん楽しかったんやな…。』
清々しいほどの横顔が今は何だか憎たらしい。
だって三津は疲れただけだから。
いきなり前途多難だとうなだれていると,三津の右手の荷物が引っ張られた。
「え?」
顔を上げれば総司がにこにこと風呂敷を掴んでいた。
「すみません,持ちますね。」
そう言って三津から荷物を取り上げた。
「馬鹿,荷物持ってどうやって刀を抜く。」
少し前を不機嫌に歩く土方がふんと鼻を鳴らして,首から上だけをこちらに振り返らせた。