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町に帰ったら何をしようか。

町に帰ったら何をしようか。 三日もあれば十分羽は伸ばせるし,また甘味屋の手伝いも出来る。 あれこれ考えながら歩く三津に,迷子になる心配も不逞浪士に狙われるかもしれない不安など微塵も無い。 楽しい事ばかり頭に浮かんでうずうずする。 突然帰った自分を,目を見開いて,口も半開きで見てくる功助とトキの顔がチラついて口元が緩む。 『まずはあそこに行かないとね。https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202401180001/  https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/eb54d05b79ab2346f6de65b67f520d36  https://ameblo.jp/freelance12/entry-12837112306.html  』 三津が意気揚々と真っ先に向かったのはいつもの遊び場。 「宗ーっ!!」 頭の上で大きく手を振れば,にかっと笑って駆け寄って来る可愛い弟。 「三津っ!やっと遊びに来たな!斎藤は案内しに来ただけか?」 胸に飛び込んで来た宗太郎の一言に,ん?と眉根を寄せる。 「何言ってんの?私一人で帰って来たんやで?」 宗太郎の頭を撫でながら周囲を見渡すが,斎藤がいるはずない。気のせいだと言い聞かせた。 嘘じゃないと頬を膨らませて機嫌を損ねた弟に, 「ねぇ,お店まで連れてって?」 首を傾げてお願いすれば,仕方ないなとふんぞり返って三津の手を握ってくれた。 久しぶりに手を繋いで通る道。二つの影も仲良く寄り添った。 「もう壬生に帰らんでいいんか?ずっとおるんか?」 「三日間だけお休みもらったんよ。だからその間はいっぱい遊ぼうな。」 そう,休みは三日ある。 三日あればもしかしたら…。 『桂さんに会えるかな…。』 着物の上から懐のかんざしに手を当てた。 ―――もし会えたら…。 会える確証もないのに,会ってもどうしたらいいか分からない癖に,何かを期待してしまった。 だって何度も会えたから。 酔っ払いに絡まれた時も,弥一の求婚に戸惑ってた時も,傍に居てくれたのは桂だった。 「あ!斎藤!」 ぼーっとしていた三津は宗太郎の声にビクッと肩を揺らした。 宗太郎はあそこに居たと三津の手をぐいぐい引っ張り指を差す。 「どこ?ホンマに斎藤さん?」 指差す路地に目を凝らすけど誰もいない。 けれど,不安がよぎる。 もしかしたら監視されているかも―――…。 やっぱり土方は何かに気付いたのか。 三日間で自分が間者かどうか見極める気か。 それとも自分を使って誰かを呼び寄せる気? 『じゃあ,土方さんが呼び寄せたいのって誰?』 そんなの,答えはもう出てる。突然休みだなんておかしいと思ったんだ。 あの土方が何の理由もなしに三日も休ませてくれるなんて。 『斎藤さんが三日間監視につくんやろか…。』 「あまり大声で人の名を呼んでくれるな。」 「おわ!出た!」 宗太郎の言う通り,斎藤はいた。驚きの余り思わず叫んで指まで差してしまった。 「人を化け物みたいに…。」 俺だって出て来たくはなかったさ。 指も差すんじゃないと三津の手を掴んで胴体の横に戻させた。 『それにしても…。こいつ何で分かったんだ…。』 三津の隣でほら見ろと目を輝かせ,ふんぞり返る宗太郎をまじまじと見た。 「斎藤,手繋いで!」 「…良かろう。」 見つかってしまったなら仕方ない。斎藤は引っ張られるまんま横に並んで手を繋いでやった。 「あの…いつから居たんですか?私全然気付かなかったんですけど。」 多分屯所からつけて来たんだろうけど,何にも分かってないふりをして問いかけた。 「…今から喋るのは俺の独り言だ。だから何も言わずに聞け。」 斎藤は真っすぐ前を見たままで,三津はその横顔に向かってこくこく頷いた。 「お前が道に迷わないかが心配でならないが,幹部や隊士がついていれば新選組にとって何かしら重要な奴だと勘違いされ兼ねない。」 まだ話しの内容が理解出来なくてただ黙って斎藤の話しに耳を傾けた。

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