「お前の声がするからまさかと思ったが…。随分と寛いでんなぁ?」
三津の耳を引っ張って無理矢理起きあがらせた。
「痛い痛い!いいやないですか何処で何してても!」了解髮線後移兩大成因,解決你對髮線後移的煩惱! @ 香港脫髮研社 :: 痞客邦 ::
もう土方の小姓じゃないと口を尖らせれば,土方の目尻はつり上がる。
その鋭い目は斎藤を映す。
「お前もこんな時間にコイツを入れるな。他の隊士に示しがつかん。」
「申し訳ありません。以後気をつけます。」
完全な八つ当たりだと思いながらも頭を下げた。
「何で斎藤さんが謝るんですか。ただお茶頼んだだけやのに,居心地良くてつい居座った私が悪いんですから。
斎藤さんは悪くないんですからねっ!」
斎藤に声をかけてから,三津は土方に食ってかかった。
『コイツが俺を庇うのもまた気に入らないんだろうなぁ…。』
顔を上げれば,三津が拳骨を見舞われていた。
そしてあれよあれよと首根っこを掴まれて部屋から引きずり出されて行った。
「悪い事をしたな…。」
三津を庇ってやるような言葉を何一つ言ってやれなかった事が,斎藤には心残りだった。
自室に放り込まれた三津は頭のてっぺんをさすりながら布団に潜り込んだ。
「こんな力いっぱい殴らんでもいいのに…。」
再び訪れた静寂に心細さも感じつつ,寒さを紛らわす為に布団の中で身を捩った。三津が静かに寝息を立ててから,その寝顔を覗き込む影があった。
暗闇の中で目を凝らしてじっとその顔を見つめた。
『ぐっすり寝てやがる。』
それがほっとしたのか,腹立たしいのか。
土方はガシガシと乱暴に頭を掻いた。
前のように魘される事もなく,すやすやと眠る子供みたいな顔がそこにはあった。
斎藤の前でも無邪気に笑ってた。それも無垢な子供のようだった。
『こんなに警戒心がなくて大丈夫か?
いや,屯所内で安心して寝られねぇのも問題か。』
「……うぅ寒っ!」
隙間風に身を震わせた。
こんな寒い中夜這いに来る奴もいないだろう。
土方はそっと部屋を後にして,凍てつくような廊下を忍び足で戻った。
『副長が夜這いか…。これこそ示しがつかんぞ。』
柱の影からゆらりと体を覗かせ,斎藤は土方が歩いて来た方向を見つめた。
翌日,三津がたえと台所で煮物用の芋を剥いていると勝手口の戸が勢い良く叩かれた。
「姉ちゃんおるかぁ?」
「ん?この声は。」
三津は腰を上げて勝手口を開いた。
「やっぱり勇之助はんや。」
そこには勇之助ともう一人,近所の子供が立っていた。
「こいつが姉ちゃんと遊びたいねんて。」
勇之助は連れてきたもう一人の男の子を三津の前に突き出した。
その子はどこかおどおどした様子でまた勇之助の後ろに隠れてしまった。
「後ですぐ行くからお寺で待ってて。」
三津はにっと笑って二人の頭を撫でてやった。
「待ってるで!」
勇之助はぶんぶんと大きく腕を振って男の子と走り去った。
「よっし!やるぞっ!」
そうとなれば格段に作業は捗る。
三津はさっきよりも手際良く芋を剥いて壬生寺に走った。
三津の姿を見つけると,嬉しそうに子供達が駆け寄って来た。だけど,さっき勇之助とやって来た男の子はやっぱりどこか落ち着かない様子だった。
その子が気にはなっていたものの,遊んで遊んでと引っ張られてそれどころではなくなってしまった。
しばらく遊んでいると砂利を踏みしめる音が近付き,
「お三津はん。」
人の良さそうな笑顔の男が三津を呼んだ。
「はい?」
返事をして振り返れば,深々とお辞儀をされた。
「息子がえらいお世話になって。」
男はそう言って三津が気にかけていた男の子の肩を抱いた。