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突如感じた殺気に思わず宗

突如感じた殺気に思わず宗太郎と繋いだ手に力がこもっていた。

 

 

「斎藤痛い。」

 

 

すまん。」https://www.evernote.com/shard/s729/sh/a872ec22-b725-70f1-4faf-1193cce59661/SG1ghP0tW2OmvNoB842uvq9HR7Y0jgTA1beqqmdmXpD49HO6SO4JiJwUcA https://classic-blog.udn.com/29339bfd/180276926 https://classic-blog.udn.com/29339bfd/180276940

 

 

三津は何事?と不思議そうに斎藤の顔を覗き込んだ。

 

 

「何やら殺気を感じたんだが。気のせいだな。」

 

 

「え!?」

 

 

三津は挙動不審に辺りを見回した。

 

 

「これだけの人だ。勘違いかも知れん。」

 

 

『流石に新年早々この人の中で暴れる事はないだろう。ただ気は抜けんな。』

 

 

ちょっと見られてる気がしただけだと斎藤は三津を安心させようとした。

それに久しぶりの再会を邪魔されたくない。

 

 

『もしかしたら長州の人に見られてる?』

 

 

まだ自分の事を間者だと思って狙ってる人がいるかもしれない。だとしたらこの状況は勘違いされ兼ねないと,三津は表情を強ばらせた。

 

 

「そんな情けない顔するな。俺がいるだろ。」

 

 

八の字に眉を垂らした三津を見て穏やかに告げた。今日は傍に居る。間違いなく守りきる自信がある,今回は。

 

 

「そんな顔してます?」

 

 

三津はやだなぁと笑って誤魔化す。殺気が怖い訳じゃないし,斎藤が居れば寧ろ心強い。今まで何度助けられたか。だけど問題はそこではない,今の状況を見てる相手が誰なのかによる。

 

 

「家まで送ってやるから安心しろ。いや,旦那と女将に迷惑か。」

 

 

斎藤の声が少し沈んだように聞こえて三津は首をぶんぶんと横に振った。

 

 

「迷惑ちゃいます!それにもしおじちゃんとおばちゃんが嫌な顔するようやったら私怒ります。」

 

 

小さな拳をぐっと握り大丈夫と胸を張った。

 

 

「そうか。それは頼もしい。」

 

 

斎藤の目がいつになくやんわりと微笑んだ。それが三津には嬉しくて嬉しくて堪らなく,離れてた時間を取り戻してるようだった。

 

 

「今日はよく笑いはりますね!」

 

 

つられて笑っちゃうと三津は満面の笑み。当たり前のように会話が出来てるのが嬉しい。

 

 

「そうか?」

 

 

いつもと変わらないと自分では思う。別にでれでれと鼻の下を伸ばしている訳でもないと思っているが,キリッと表情を引き締めた。

 

 

「斎藤も男やな。」

 

 

「お前に何が分かる。」

 

 

宗太郎から発せられた思わぬ言葉に眉をひそめて見下ろした。お詣りを済ませた帰り道。仲良く手を繋いで歩く姿は親子そのもの。

穏やかな時間が流れてるはずだったが,

 

 

「三津はみんなに好かれてんのに何で嫁に行かれへんのやろな~。」

 

 

宗太郎の素直な言葉に三津の笑顔もひきつり,斎藤は冷静な顔を装って必死に笑いを堪えた。

 

 

「私がお嫁に行って遊べんくなるの嫌やって大泣きしたくせに。」

 

 

『本当に姉弟の様に仲が良いな。』

 

 

二人の言い合いを斎藤は黙って聞いていた。それを見守る自分は兄と言うより親だろうかと思いながら。

 

 

『それにしてもさっきの視線はなんだったのか。気のせいではないと思うが。』

 

 

気になり出したらキリがない。甘味屋へ帰る道は人も疎らで,怪しい気配にはすぐ気付けると思うが今のところ何も感じない。やはり気のせいなのか。

 

 

「ただいまぁ!」

 

 

『あ。しまった。』

 

 

斎藤が考え事をしているうちに三津は家の中に踏み込んでしまった。家の前まで来たら直ぐ様帰ろうと思っていただけに動揺した。

 

 

「お帰り!あら斎藤さん!明けましておめでとうございます。」

 

 

出迎えに来たトキがご無沙汰してますと恭しく頭を下げた。

 

 

「明けましておめでとうございます。」

 

 

それに対して深く深く頭を下げる斎藤を見て三津の胸は少しチクっとした。

間違いなく年末の件を気にしてると分かったから。

 

 

「斎藤さんも初詣来てはってん!宗が急に走るからビックリしたわ。」

 

 

もしかしたら不自然に笑っているかもしれないと思いつつ,三津は明るく振る舞った。斎藤に会えた事は素直に嬉しいと思ったし。

 

 

三津の表情を見てトキが何も察知しない訳がない。

小さく息を吐いてから斎藤に微笑みかけた。

 

 

「斎藤さん,もうあの事はいいんです。過ぎた事ですし。それに私らの覚悟が甘かったんです。もしもの事があると分かったふりして受け入れる器を持ってへんかった。」

 

 

それだけなんだと諭すように言葉を並べた。

それは三津に向けての意味もあった。もう前のように取り乱したりしないと伝えたかった。

 

 

『女将のこの器量を見てきたからこそのコイツなのだな。それにしてもこの顔。』

 

 

ちらりと横を見れば,トキの言葉が余程嬉しかったのか目尻を垂れ下げた三津の笑顔。

 

 

 

『何と言うか。』

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