三津は?どこ行ったん?って泣きながらみんなに聞いて回る姿が想像できた。 でもどこに行ったかの問に答えてくれる大人は誰もいないだろう。 うきうきと三津の手を引く姿に可愛いなぁと顔を綻ばせるも,やはり罪悪感が満ちてくる。 「宗太郎はもうお兄ちゃんやんな?」 「せやで。ちっちゃい子の面倒ちゃんと見れる。」 胸を張って得意げだ。偉いねって褒めてあげるともっと胸を張ってにっと笑った。 大丈夫,大丈夫。私のいない日々など時間が過ぎれば慣れていく。https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202402280000/ https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/02/27/225110_gl=1*vbykqb*_gcl_au*NjYyNTYyMDMxLjE3MDkwNDE3OTU. https://ameblo.jp/freelance12/entry-12842335013.htmlもっと友達も増えて私のいない日々など当たり前になるんだ。 お店でみんなと世間話をして,気が向けば散歩に出て宗太郎と遊んで。 壬生に行く前の生活を繰り返し送っていた。 四日目が過ぎた辺りで本当に迎えは来るのか?と緊張感が薄れていた。 でも少しでも時間をもらえるのは有り難い。 今もこうして町を歩いているのを新選組の誰かが見張っているのだろうか。 全く誰とも会わないがきっと近くに居るのだろう。 『みんなは吉田さんが来ると思ってるんやろな。』 でも迎えに来るのは吉田じゃない。本当に想いが通じ合ってる相手が桂だと分かった時,みんなはどんな反応をするのかが気になった。 そんな考えも子供達と遊んでいればすっかり消えていく。今日も楽しかったとご機嫌な足取りで帰路につく。 『相変わらずこの任務は不向きだ……。』 距離を保って三津の背後を歩く斎藤。 『沖田に代わってやりたい……。』 前よりか三津の気配を感じているものの少し離れると分からなくなる。 『これはもうずっと傍に置いておくしか無理だな。』 三津が居なくならないように繋ぎ留めて自分のモノにしてしまえば。 ほとぼりが冷めた頃に俺と一緒になろう。これからも旦那様と呼んでくれ,そう言おう。そんな事を三津の背中を見ながら思っていると,いつの間にか三津の背後を歩く人影が目に飛び込んで来た。 別に不自然な事はない。ただ歩いているだけ。だがその後ろ姿に何となく見覚えがあった。 少し距離を詰めようと速度をあげた時だった。 その人物がちらりと振り返りこちらに視線を寄こした。 『あれは……。』それから一瞬だった。そいつが三津の肩を抱いて自然と脇道に逸れた。 『しまった!』 人の間をすり抜けて後を追って脇道に飛び込んだ時にはもう見失っていた。 「くそっ…!」 三津を連れて早く走れる訳がない。まだ近くに居る。隠れられそうな場所を手当り次第見て回るが見つからない。 『三津だけなら分からんかもしれんがあの男は存在感大ありだぞ。』 斎藤は必死に走り回るがどうしても見つける事が出来ない。 息を切らし斎藤は甘味屋に駆け込んだ。 「御免,主人女将!三津は居ますか!」 「あら斎藤さん!三津やったら今宗ちゃんとこ行ってますよ!」 『やはり帰ってない……。』 「そろそろ帰って来るんちゃう?さっき色男が迎えに行く言うてたし。」 「やっぱり会いに来たなぁあの人。」 何気ない客の一言に斎藤は目を見開いた。 「色男が来たんですか?ここへ?いつ?」 気持ちばかりが焦る。冷静を装っているがそれどころではない。口調は早くなる。 「ついさっき。三津尋ねて来はったからお寺に居るって言うたら迎えに行ってきますって。」 「男の名前を聞きましたか。」 「いえ,すぐに行ってしもて。でもまた二人で帰って来るやろし。」 「名乗らなかったんですね?」 矢継ぎ早に投げかけてトキがはいと答えた瞬間に店を飛び出した。 まだ半信半疑。だがあの顔は間違いなく知っている。近くに居たのはとんでもない人物。兎に角今は皆に伝えなければ。斎藤は全速力で駆け抜けた。 「……とうとう行ったか。」