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そうですね修行を積み体得する

「忍……

……そうですね修行を積み体得する者もいれば元から備わってる者もいる。貴女の場合は元から使えるのでしょう。」

 

 

「それっていい事?」 https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202402290000/ https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/bb222fc9664b26e59eec19dad75a57ae https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/02/29/190657

 

 

そんな物使った覚えはないと思ったが入江が頷くから三津はいい事なんかやった!と笑みを深めた。

 

 

『なんて単純。』

 

 

それでよくぞ新選組を欺けたなとお茶をすすりながら嬉しそうな三津を眺めた。

少し話して満足した入江はお茶を飲みほしてそそくさと藩邸へ戻った。

 

 

「遅かったな三津にちょっかい出してないだろうね?」

 

 

入江なら大丈夫だろうと託したがやはり安心出来ない。帰って来た入江は気持ち悪いくらいニヤニヤしている。

 

 

「彼女に人心掌握術について聞きたかったのですがそんな忍術体得した覚えはないと言われてしまいました。」

 

 

「忍…………。全く……三津って子は……。」

 

 

入江のニヤニヤの理由が分かり桂もどうにか笑いを噛み殺す。

 

 

「なので修行して得る者,元から使える者がいて貴女は元から使えると言ったら嬉しそうで。」

 

 

「頼む彼女は素直だから嘘を教えるのはやめてくれ。」

 

 

入江に行かせたのも失敗だったと思ったが喜んだ三津の顔が想像できたのでお咎め無し。

 

 

「九一を遣いに出したんですか?恋敵増やすかもしれないと分かっててやってるんですか?馬鹿ですか?」

 

 

三津に関しての話には地獄耳。吉田がふらりと現れて呆れたと溜め息をつく。

 

 

「九一が一番安心だと思ったからだ。玄瑞は治療と銘打って触るかもしれんだろう。」

 

 

「は!?私は頼まれたから診てるんですよ!?大体あんな胸に欲情する訳ないでしょう!!」

 

 

面白そうだと聞き耳を立てていた玄瑞がとんだとばっちりだと飛び出して声を荒げた。

 

 

「あんな胸?あんなとはどう言う事だ?」

 

 

聞き捨てならぬと桂が胸の前で腕を組み玄瑞を睨みつける。

 

 

「ねぇあんな胸ってどんな胸なの?どう見えたのか詳しく知りたいんだけど。」

 

 

教えてくれたら侮辱した事は許すと言いながら吉田の左手はずっと刀の柄を擦っている。

 

 

『彼女は自分のせいでこうなっとるなんて夢にも思わんのだろうな。』

 

 

そこで入江は思いつく。三津を使えばもっと面白い物が見られるのでは。目の前の騒ぎを眺めつつ入江は一人頷いた。一日中家の中で過ごすと言うのはひどく退屈で,おまけに一人だし左手も然程使えないので出来る事が限られる。

 

 

加えていつ帰って来るかも分からない相手を待つというのは三津にとって精神的にかなり負担だった。

 

 

夕方くらいまでは何とかやり過ごせる。掃除したり左手を使う練習をしたり桂の用意してくれてた着物を眺めて気を紛らわす。

夜になると決まって不安が襲ってくる。

 

 

『遅くなった……。三津は先に休んでくれているだろうか。』

 

 

寝ているなら起こしたくない。静かに戸を開けて中に入った。

布団は敷かれているのに三津はいない。

 

 

『おや。』

 

 

三津は桂の文机に伏せて寝息を立てていた。

机の上には桂の本が何冊か。

 

 

「こんな所で……。」

 

 

抱き上げて布団へ連れて行こうと手を伸ばした時に三津は目を覚した。

桂にはまだ気付いておらず目を擦りながら大欠伸。

 

 

「おはよう。」

 

 

「おわっ!?」

 

 

全然可愛くない声を上げて背後からの声に大きく体を跳ね上がらせた。

 

 

「あぁ……心臓止まるかと思ったぁ……。おかえりなさい。」

 

 

今日も無事帰って来てくれて安堵の笑みを向けた。

 

 

「それは読めたかい?」

 

 

「あぁ……小五郎さんがどんなお勉強してはるか見てみたけど私には一切読めませんでした。」

 

 

勝手に見ちゃってごめんなさいと元の位置に丁寧に戻した。

 

 

「大丈夫,三津は人心掌握術が使えるから。」

 

 

忍術だと思い込んでるのを思い出して吹き出しそうになるのを堪えた。

 

 

「あっ入江さんですね?何なんですか?その何とか何とか術。」

 

 

「人の心を掴む術だ。九一の心まで掴むのはやめてくれよ? 今日は九一と何を話したの?」

 

 

頭を撫でてそのまま腕の中に閉じ込めた。桂の匂いにほっとして腰に手を回して抱きついた。

 

 

「大した話はしてませんよ。吉田さんは私の左手の事を知らないって言わはったから気付かれないように気をつけますって。」

 

 

それよりもこうやって触れて話せる事がどんなに贅沢なのかを知った。また朝が来ると寂しい思いをするから三津は桂の胸に顔を埋めて必死に心を満たそうとした。

 

 

「今日は随分と甘えただね。」

 

 

「寂しかった。」

 

 

 

「そうか。じゃあその寂しさを埋めてあげないとね。」

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