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その視線に気付いた赤禰は困惑気味に笑った。

その視線に気付いた赤禰は困惑気味に笑った。 「入江でもそんな目するんやな。」 「ん?どんな目?」 入江は咄嗟に作った笑顔で首を傾げた。 「嫉妬剥き出しの目。俺の女に馴れ馴れしいみたいな。」 入江は否定も肯定もせずに薄っすら笑みを浮かべたまま手酌で酒を煽り続けた。 「三津さん入江にもお酌しちゃり。三津さんが傍におらんと寂しくて死にそうや。」 赤禰はからから笑って三津を入江の方へ押しやった。三津は入江の傍らで正座をしてにこにこしながら徳利を差し出した。http://janessa.e-monsite.com/blog/--104.html https://www.evernote.com/shard/s729/sh/a88afa47-81cb-adcd-9ba1-d61776d4da4a/TBqXAFyE0BWQwZdJW1-jQz8zqb__YAMukZ9-O0qmdofNmwUjUbq5-upQ3A https://blog.udn.com/79ce0388/180452919

 「口移しで呑ませて欲しいなぁ。」 入江の無理な注文に三津は目を丸くしてから徳利と入江を交互に見た。 「これは悩んでるんか?」 どうする気だ?と周りはざわめきながら様子を見た。 すると三津は入江のお猪口に酒を注いだ。やっぱりなと誰もが思ったが三津はそのお猪口を奪い取り中身を一気に口に含んだ。 「え!?嘘やろ!?」 高杉はそれなら俺にも口移しをと言いたそうに手を上げて,言い出した入江本人はどうしたもんかと内心焦っていた。 そして今か今かと誰もがその時を待つのだが, “ごっくん” 呑み込む音がした。 「呑んだな。」 いくら酒が入っていても三津がそんな事する訳ない。高杉は残念だったな九一と高笑いをした。 入江だって最初から期待などしていない。 『大人しくこれで寝てくれたらもういいかな。』 柄にもなく嫉妬を剥き出しにした事を反省しながらそう思った。このまま赤禰と三津が楽しそうにしているところを見たくない。だったらもう三津には寝てもらいたい。 「……呑んじゃったからもう一回。」 三津はえへへと笑いながら手酌でお猪口に注ぎだした。 「こら!呑みたいだけか!もう呑んじゃいけんって。明日仕事出来んかったらどうするそ?」 入江は咄嗟にお猪口と徳利を取り上げた。三津は数度瞬きをしてからふにゃふにゃな顔で笑った。 「入江さんずっとその喋り方したらいいのに。そっちの方が好き。」 その好きに深い意味がないのは分かってるし酔っ払いの戯言なのも分かっちゃいるけど,そんな溶けそうな笑顔で言われたらドキッとしてしまう。 『質が悪い。』 取り上げた酒を一気に流し込んだ。酔った勢いに何もかも任せて羽目を外したい。そんな事を考えていたその一瞬の隙きをつかれた。 目の前には三津の顔があって自分の顔は三津の手に挟まれていて,生暖かく湿ったものが唇を這っている。一瞬の出来事と酒で頭がぼーっとしてたせいで何が起こったか理解出来なかった。 至近距離で自分を映す目は細められ,ご馳走様でしたと無邪気に笑って親指の腹で唇を拭う。入江は持っていたお猪口を畳に落とした。 「嫁ちゃん大胆やな……。」 「え!?何したそ!?俺見えんかった!!」 呆気にとられる山縣に高杉が教えろと詰め寄り体を揺する。 「やられたなぁ入江。まさか唇舐められるとは思わんわなぁ。」 にやにや笑う赤禰と目が合い,ようやく入江は状況を理解して一気に全身の血液が沸きたった。 「部屋に放り込んで来る。」 入江は三津をひょいと肩に担いで広間を出た。肩担がれその揺れをきゃっきゃっと楽しんでいた三津は相部屋に戻り布団に転がされた。 「もう大人しく寝て?面倒見きれん……。」 傍らに座り込んでげんなりする入江の気持ちなどお構いなしに三津はへらへらしながら素直に分かったと頷いた。 「着替えて寝るー。」 むくっと起きておもむろに帯を外し始めた所で入江は部屋を飛び出して広間に逃げ帰った。酔いもあるせいで理性を保てる自信がなかった。

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