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「あの一件は俺のせいでもある。」

「あの一件は俺のせいでもある。」 「武人さんの?」 「そう。先鋒隊の中にこちらとも通じとる奴が一人おってな,そいつから向こうが宮城さん襲撃しようとしちょるって聞いて……俺がみんなにそれを伝えた。やからみんな向こうに押し入った。俺が余計な事言わんかったらそうなっちょらんかった。」 『そっか……。武人さんずっと責任感じてはったんや……。』 「でももし武人さんがそれをみんなに伝えてなくても,宮城さんが襲撃されればみんなはどっちみち向こうに押し入って反撃したんちゃいます? だって仲間がそんな目に遭えばそうしますよね?ここのみんな家族みたいやし。」 赤禰は確かにと笑ったが責任を感じてるその目は悲しみに満ちている。【植髮】胡亂植人工頭髮 或會造成嚴重副作用! 「今までしんどかったですよねぇ……。その自責の念……。もしかして誰かに責められたりもしましたか?」 三津は踏み込んでも大丈夫だろうかと恐る恐る赤禰の目を覗き込んだ。 「いや……誰も責めてはこんかった……。」 それを聞いて三津はほっと穏やかに笑みを浮かべた。 「奇兵隊の皆さんは武人さんと同じ気持ちを抱えてたかもしれませんよ?」「俺と同じ気持ち?」 赤禰はよく分からないから説明をと三津との距離を少し詰めた。 「襲撃って聞いて激怒した皆さんです。押し入った事で結果宮城さんを失ってしまったその責任をみんな感じてるんやないですかね? もっと冷静に考えて行動すれば良かったって思ったりするんちゃうかなって。今の皆さん見てたら思うんです。 そこを武人さんがそんな情報寄越したからこうなったって責任を擦り付けるような皆さんやないって思うんですよ。」 『何でこの子はまだよく知りもせんうちの隊士達の事を信じとるんやろ……。』 言葉を選んで丁寧に諭してくる三津の目は,共に過ごす隊士達を思い浮かべているような感じがした。 それはすでに信頼を寄せて信じきっている目だ。 「うちの連中は随分三津さんに信用されちょるんやな。」 少し棘のある言い方をしまった。でも三津は表情を変えなかった。嫌な顔なんてしなかった。 「信用しかないですよ。何をどう疑えばいいか分かりません。そりゃ高杉さんや山縣さんは油断ならんなとは思いますけど信頼はしてます。 ほら!今日だっていい所で助けてくれたし!山縣さんだって訓練の時みんなより遅れとってる人の事を凄く気にかけてはるしそう言う面倒見のいいとこは尊敬します。」 『俺よりもしっかり見とるやないか……。』 赤禰は三津から視線を外してふっと自分自身を笑った。何だか自分が情けなくて惨めだ。 「武人さんは人一倍責任感が強いなって思ってます。だから自分がしっかりせなって気ぃ張ってへんか心配になります。」 その言葉にまた視線を戻して三津の目と目をしっかり合わせた。 「俺が心配?」 「心配ですよぉ!だってまともなん武人さんと伊藤さんぐらいですよ?さり気なく高杉さんの暴走止めて山縣さんあしらって総督二人の補助。色々頑張り過ぎです。」 三津はちょっとは手を抜いたらどうですか?と少し怒ったような顔をして見せた。 「いつから……心配しちょった?」 「えー……割と前から。それだけ大変な役回りやのに私も私情で甘えっぱなしやからいつか何かお返しをと。」 『心配かけんようにと思ったのに……もうずっと心配されとった……。』 お礼何がいいですかねぇと気の抜けた顔で笑う三津を見て赤禰はくくっと喉を鳴らして笑った。 「三津さんには敵わんのはよう分かった。」 「え?敵わん?何で?」 「やっぱ無意識か。」 『深く考えんと無意識でここまで周り見て動いとるそ?ただ尽くす為だけに生きてるような子なんやな……。』死ぬなら誰かの為と口にする理由はよく分かった。本当に見返りなど求めてないんだ。 『それも無意識でやっとるのが恐ろしい……。』 「三津さん人を疑ったりせんの?」 「そりゃそう言う時もあります。でも疑いだしたらきりなくて全部嘘に聞こえてくるからそれなら信じて騙される方がまだいいかなって。 もし武人さんが私の事信じてくれなくても,私がずっと信じてたらいつかは信じてくれるんちゃうかって思ってるんで。 人の気持ちを動かしたかったら自分が変わらなアカンなって思ってるだけです。」 「いや,普通それが出来ん……。」 どうしてそこまで自己犠牲精神になれるのか。

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