Eklablog Tous les blogs
Editer l'article Suivre ce blog Administration + Créer mon blog
MENU

Publicité

やがて、大きな足音と共に玄関口

やがて、大きな足音と共に玄関口へと現われた信長は 「…おお!類、参ったか!」 類に笑顔を向けるや否や、段を下り、素足のまま輿の前へと歩み寄った。 「類。よう参った、よくぞ我が城に来てくれた!」 「…殿…」 「頑固者なそなたのこと故、よもや出立の前になって “ やはり城入りは嫌じゃ ” と我が儘を言い出しやしまいかと、気が気ではなかった。 じゃが、こうしてそなたの到着を出迎えることが出来て、今は儂も心から安堵しておる。よくぞ分別し、こちらへ参る決意をしてくれたな」 「…殿が、私の身を案じてお下しになられたご命令とあらば、それを無下に断る訳にも参りませぬ故」 信長は微笑を保ったまま「左様か」と頷くとhttps://zenwriting.net/carinadarling/da-dian-yang-ga-gowei-du-kitoku-nigozaimasu  http://eugenia22.eklablog.net/-a216051149 https://app.gumroad.com/carinadarling/p/30251c3d-9d48-4048-bb0f-e7f456adf9da 「その着物も、華やかな色柄がそちによう似合うておる」 「…本日の為に殿より賜りましたお衣装です故、僭越ながら身につけさせてはいただきましたが……申し訳のうてなりませぬ」 「何が申し訳ないのだ?」 「…見ての通り、病に侵され、すっかり痩せ細ったこの身に纏うても、傍目(はため)からは不恰好に見えるばかり。 せっかくかように高価なお衣装を賜っても、私が着ると台無しになってしまいます故、それが申し訳なくて…」 「何を言うておる? 不恰好など飛んでもない。よう似合うておる。贈った儂が言うておるのじゃ、間違いない」 「……殿」 「いずれにせよ、本日は最良の日となろう。儂にとっても、また、そなたにとってもな」 「それは、いったいどういう…」 「何、すぐに分かる。 ──さぁ、参ろう。皆(みな)が待っておる故」 「皆?」 類が首を傾げると、信長は徐(おもむろ)に輿の中へ両腕を伸ばすと 「さ、行くぞ!しっかり掴まっておれよ!」 そう告げつつ、類の身を軽々と抱き上げた。 「…と、殿!何をなされまする!?」 類は驚いて聞くが、信長は笑顔でごまかすばかりで答えようとしない。 信長は類を抱えたまま再び御殿に上がると、恒興の誘導のもと、城の奥へ奥へと進んでいった。 「──お成りにございます!」 それから数分後。 本丸・表御殿の大広間に、信長らの訪れを告げる小姓の声が、高らかに響き渡った。 黒漆塗りの総床板の下段には、林秀貞を筆頭に、内藤勝介、柴田勝家、森可成たち主だった重臣たちが、 その背後に更に大勢の織田家臣を従えて整然と居並び、主君のお成りに対して低く頭を下げていった。 やがて上段の端にある襖がスッと開くと、その腕に類を抱えた信長が、慎重な足取りで座に入って来た。 信長は類を座らせることもなく、抱えたまま上段の中央まで進み行くと 「皆々、本日は大儀である!」 「「ははーっ」」 「遠慮はいらぬ。面をあげよ!」 いつもの、甲高いが威厳に満ちた声色で、居並ぶ家臣たちに呼びかけた。 一同はゆっくりと伏せていた顔を上げるなり、誰もが主君の腕の中の女人の存在に「…お」という反応を示した。 「顔を見知っておらぬ者も多い故、この機に改めて紹介しておく──。 生駒家宗の息女にして、 現 小折城主・生駒家長の妹・類じゃ。皆も知っての通り、我が嫡男・奇妙の生母(はは)である」 信長が披露すると、一同は上げたばかりの頭をまた小さく下げた。 「奇妙だけでなく、先達てこちらの城へ引き取りし茶筅、五徳もこのお類の腹じゃ。

Publicité
Retour à l'accueil
Partager cet article
Repost0
Pour être informé des derniers articles, inscrivez vous :
Commenter cet article