この頃には私邸として普請していた山頂部の御殿も落成し、濃姫たちは岐阜城での初正月を、新築の奥御殿にて華やかに迎えていた。 この日も新年を祝う宴が奥御殿の大広間で執り行われ、庭先に設けられた能舞台で披露されている「」を、一同 穏やかな心持ちで観賞していた。 広間の上段の中央には、艶やかな松竹文様の打掛をった濃姫が座し、その両脇に報春院、そしてお市が悠然と控えている。 下段の最前には、めでたく岐阜城下へと迎えられ、祝賀の挨拶の為に登城していた信長の側室たちも同席し、 外の舞台で披露される祝の演目を、整然と肩を並べながら眺めていた。 「──お方様。お顔の色が優れぬようにお見受け致しますが、https://freelancemania8.wixsite.com/website/post/%E3%80%8C%E5%84%82%E3%81%AB%E8%AD%B2%E3%82%8B%E6%B0%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%89%E3%80%81%E3%81%84%E3%81%A4%E3%81%A7%E3%82%82%E7%94%B3%E3%81%9B https://writeablog.net/carinadarling/mitch-joel-author-of-six-pixels-of-separation-and https://postheaven.net/carinadarling/tools-and-frameworks-the-laws 如何なされました?」 ふと、上段近くに控えていた新侍女のが、囁くような声量で濃姫に問いかけた。 それを聞いて、三保野やお菜津もさっと主人の方へ顔を向け 「まぁ…ほんに。姫様、お顔の色が少々お赤こうございますよ」 「ご気分がお悪うございますか?」 二人は上段にのぼり、急いで濃姫の傍らに歩み寄った。 濃姫は身体を前に折り畳むような姿勢でれ、やや荒い呼吸を繰り返している。 「いったい何事じゃ?」 「義姉上様…、大丈夫にございますか?」 その俄な騒ぎに、報春院とお市が揃って不安顔を向けると 「……いえ。…何でもありませぬ。少し気分が優れぬだけです故、ご心配なきよう」 濃姫は 「三保野様。お方様を一旦お部屋へお連れ致し、暫しお休みいただいては?」 古沍が告げると、三保野もうむと頷き 「姫様、お部屋へ戻りましょう。急ぎをお呼び致します故」 「…大事ない。無用な気遣いじゃ」 「されどそのお苦しげなご様子、とても大事ないようには見えませぬ」 「平気じゃ…これしきのこと。案ずるには及ばぬ──」 濃姫はそう言って、脇息から身体を起こそと上半身にグッと力を入れようとしたが、 どういう訳か力が入らず、そのままれるようにして脇息の上に伏してしまった。 「お方様!」と、古沍も慌てて上段にのぼると 「三保野様、肩をお貸し下さいませ!お方様をお部屋まで運びます故」 「あ、相分かった…!」 三保野と共に両脇を支えながら、急いで濃姫を広間の外へと運んでいった。 突然の正室の退出に、座はやや騒然となり、お市や信長の側室たちは心配そうに、 報春院は怪訝そうに両眼を細めながら、一行が出ていった広間の出入口を長々と見つめていた。 ──濃姫を御座所へと連れ戻した三保野たちは、姫を手早く白い夜着に着替えさせ、 寝所の絹布団に寝かせると、ちに医師を呼び寄せて主人の診察に当たらせた。 横になり、幾らか落ち着いたように見える濃姫を、医師は慎重な面持ちで診察し、治療をしてゆく。 三保野、古沍、お菜津らは几帳越しにそれを見守りながら、主人が大きな病にかかっていない事をひたすら願っていた。 それから暫くして